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てんかんに関連する脳内ネットワークを発見。新規治療薬開発に期待

2017.1.2

英国インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究チームが、てんかんに関連する脳内ネットワークを発見したことが明らかになり、その研究成果が2016年11月の『Genome Biology』に掲載されました。
この研究によると、320の遺伝子を含むM30と呼ばれる脳内遺伝子ネットワークが、脳細胞同士の情報伝達に関与し、M30の機能不全がてんかんの発症に関係していることがわかりました。この発見によって、M30ネットワークの機能回復をターゲットとした、新しい治療薬や治療法の開発によって、てんかん治療に役立つ可能性を示唆しています。
ちなみに研究者らは、約1300種類のすでにてんかん治療などに使用されている物質が、M30ネットワークの機能を回復させるかどうかを検証した結果、てんかん治療薬として古くから使用されている「バルプロ酸」に、その効果があることを確認しました。ほかにも「ビフェリンA」というインド人参に含まれる成分にも認められました。インド人参は、古くから滋養強壮などの目的でアーユルヴェーダにも用いられています。

●出典

Genome Biology 201617:245 DOI: 10.1186/s13059-016-1097-7